TBSラジオ『アフター6ジャンクション』
2020年10月27日放送「ビヨンド・ザ・カルチャー」
パーソナリティ : 宇多丸
パートナー : 宇垣美里
ゲスト : 王谷晶


TBSラジオの番組『アフター6ジャンクション』の「ビヨンド・ザ・カルチャー」で王谷晶さんが「シスターフッドとは何か?」について話されていました。

王谷晶『ババヤガの夜』掲載
■雑誌
『文藝 2020年秋季号』
(河出書房新社 2020年)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309980133/
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宇垣美里 シスターフッドとは何か?

宇多丸 基本的な、まず辞書的なといいましょうか、定義の部分からいってみましょうか。
シスターフッド。1960年代から1970年代、フェミニズム運動の第二波の中で起こった女性解放運動、いわゆるウーマン・リブの中から生まれた言葉です。1968年、作家でフェミニストのロビン・モーガンが作ったアンソロジーのタイトル『Sisterhood Is Powerful』で使われたのが初めてと言われています。女性解放という大きな目的を前にして、人種、階級、文化や社会的背景も超え、女性同士が姉妹のように連帯していく関係性のことを言っています。

宇多丸 はい。とういうことで王谷さん。今の辞書的な定義の部分でしたけど、これに王谷さん的に付け加えるとしたらどんな感じでしょう?

王谷晶 そうですね。やっぱりタイトルの方でも言っていただいたんですけど、仲良くなくてもつながれる、一緒に戦えるっていうのが自分の中ではシスターフッドの肝というか、要素かなあと思ってまして、やっぱ女の人の人間関係って愛情であったり、友情であったり、好意=LikeとかLoveなどが基本になってるものがどうしてもイメージされがちだと思うんですけども、シスターフッドっていう概念によって、例えばすごい気に食わない、嫌いな女の人とでも一つの問題とか、そういうことに対して一緒に共闘できる、共に戦える・・・そういう、つなぎに、ハブになるような概念なんじゃないかなと思ってます。

宇多丸 例えば、男同士が、全然違う立場同士がいつしかそれがバディーものみたいな言葉ってありましたけど、やっぱり、こと女性でそういうのを描かれるってのが少なかったのは、一つにはそれぞれの女性の立場の違いっていうのがすごく分断されて描かれがちというか・・・っていうことがあった感じですかね、やっぱね。

王谷晶 そうですね。本当に今までは、例えば結婚してる、してないですとか、あとは住んでる場所が離れてしまったりするだけで、結構人間関係を断ち切られがちだったと思うんですけど、インターネットとかSNSの出現でその辺が結構フラットになってきて、より立場の違う女性がお互いの声を聞いたり、言ったり、つながったり、しやすくなってきたから、現代でシスターフッドという言葉がまた注目されてきたのかなと個人的には思っています。

宇多丸 確かに立場とか、奥さんとか、お母さんとかっていうカテゴリーで女性っていうのを押し込められがちだったっていうところが解き放たれたっていうか・・・。

宇垣美里 かつ、違う立場だと「仲が悪いんでしょう?」と言われたりとか。でも、同じ共通の問題を持っていて、女性だから受けてしまう、何か大きな苦労があって、それに対してみんなが、手をつなぐじゃないですけど、同じものに立ち向かうってことができるようになってきたのかなって感じはしますよね。

王谷晶 はい。

宇多丸 それをゆるいっていうか・・・でも男女を置き換えたら普通に、本来だったら男だったらバディーものとか、言ってたものがあるべきなんだから、そこがようやくフラットになったという。言葉としての、概念としてのシスターフッドって感じですかね。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 王谷さんにとってシスターフッドものっていうか、そういうのの魅力ってどのあたりになりますか。

王谷晶 やっぱり「一人じゃないよ」っていう言葉は、ちょっと手垢がついた言葉であるとは思うんですけれども、女性であるがゆえに直面する問題とか壁みたいなものに当たった時にシスターフッドっていう概念を知っていれば、一人じゃないって思える。それはすごい心強いことだなと思って。前向きになれる概念ですかね。そこが魅力の一つだと思ってます。

宇多丸 それこそ『ババヤガの夜』を読んで、鼓舞されるようにね。自分の中のイライラした暴力性が肯定されるっていうか。暴れていいんだ。

宇垣美里 殴り返してよかったんだって思えましたし。

宇多丸 殴られたら殴り返す人生でいいんだ、みたいな。それって、仮にはじかれたとしてもそっちの方がいいわっていう。

宇垣美里 「右頬を差し出せ」みたいな、そういうのじゃなくていいんだっていうのがありましたね。

宇多丸 正に今、物騒な例えがドンドン出てきてますけど、シスターフッドという概念の中でやっぱり戦うみたいな要素は必要だと思われますか。

王谷晶 そうですね。反抗のための概念だとは思うんですね。何かの問題に対して女性たちが協力して抵抗する、反抗するための概念だとは思います。ただ、いわゆる『ババヤガの夜』なんか物理的にバトルしてますけども、フィクションの中でだとどうしてもバトルものが多いのはぶっちゃけそれだと企画が通りやすいからかなっていう感じもします。

宇多丸 もっといろんな形のすごいダメダメな人がいてもいいし、とか。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 もっと幅が広がる・・・。だから多分、やっぱり今までがあまりに不均衡だったんですね、やっぱりね。

王谷晶 戦う女ものって、それこそ1960〜70年代ぐらいから結構フィクションにはたくさん出てきて・・・。

宇多丸 ラス・メイヤーものとか、ありますもんね。

王谷晶 そうですね。「また強い女って言ったら、戦う女かよ」みたいな、結構ウンザリしてる意見とかも聞いたりするので、これからは強くなくても生きていける、ダメダメでもなんとか日々やり過ごしていける、そういう女の人たちの物語もたくさん出るといいなと思ってます。

宇多丸 これから、ようやく健全なバリエーションが出てくるというか。

宇垣美里 そうですね。

王谷晶 たくさん、いろいろ出たら楽しいなと思います。

宇多丸 そもそも、それがカウンターの概念としてっていうのはそもそもが男性社会というか、抑圧的な社会が続いてるからだから。

宇垣美里 どうしても立場的に弱いことが多いですから。

宇多丸 本来はそんなことをいちいち言わなくて済む・・・。

宇垣美里 反抗しなくて済むんだったらそっちの方がよっぽどいいですから。

宇多丸 であるべきなんですけど、本当に申し訳ない限りです。

宇垣美里 いやいやいや。

宇多丸 で、日本だとシスターフッド作品って、どういう辺りがこれまではあったんでしょうか?

王谷晶 一番代表的だなと思う、私の世代・・・1981年生まれなんですけれども、この世代で代表的だなと思うのは、やっぱり『美少女戦士セーラームーン』ですね。

宇垣美里 (パチ、パチ、パチと拍手)

宇多丸 やっぱ、そうだ。重要だ、『美少女戦士セーラームーン』。

宇垣美里 『美少女戦士セーラームーン』を見て育った私。

王谷晶 『美少女戦士セーラームーン』はすごい大事な作品だと思います。

宇多丸 やっぱりチームであり、それぞれ個性があって、戦うし、恋愛に落とし込むわけではなく。

宇垣美里 「恋愛とかする暇なくて忙しいの」って。地球救ってるからっていう感じがありましたし。

王谷晶 恋愛パートもあるんですけど、それと同時にうさぎちゃんたちがちゃんと友情とか、喧嘩したり、仲直りしたり、そういうのがしっかりありつつ、女性だけのチームで戦うっていうのがやっぱり衝撃的でしたね。

宇多丸 いやあ、先駆的だったんだな、つくづくね。あと他に日本でこれまでにシスターフッド的な作品で、ある程度知られている作品としてはどの辺りがありますか。

王谷晶 作品というか、スパイス・ガールズのちょうど世代でもあるんですけど。

宇多丸 先ほど「Wannabe」をかけましたけど。

王谷晶 やっぱりバラバラのファッションの女子五人組グループっていうのを、すごいショッキングというか、こういうバラバラの女の子たちが仲良くしててもいいんだっていう衝撃がありましたし。あと、もうちょっと後になりますけど、『チャーリーズ・エンジェル』のドリュー・バリモアのリブート版の映画、あれはアラフォーぐらいの映画好きの女子で集まるとだいたい話題に挙がる、「みんなだいたい好き」っていう。

宇多丸 やっぱり痛快っていう感じがありますよね。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 あと、やっぱりドリュー・バリモア自身がエグゼクティブ・プロデューサー(※正確には2000年『チャーリーズ・エンジェル』、2003年『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』の2作ではプロデューサー。エグゼクティブ・プロデューサーにクレジットされるのは2020年『チャーリーズ・エンジェル』から)として作品を仕切ってやってるっていうとこですよね。彼女もいろいろあった人だけど。

王谷晶 そうですね。それもかっこよかったです。

宇多丸 今でこそ女性が、女優がグゼクティブ・プロデューサー、監督なってたりするけど、自分たちでコントロールできるんだっていうか、そういう面もありますよね、あれね。

王谷晶 あの頃は珍しかったんじゃないかなと思います。

宇多丸 だから、ドリュー・バリモアのキャリア・・・あの人っていろいろドラッグのあれとかで大変だったのを経てだから、いろいろドリュー・バリモア重要みたいな気もしますね。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 王谷さんご自身がそういうシスターフッドものに目覚めたっていうきっかけとかありますか?

王谷晶 映画が好きだったのであの洋画が多いんですけども、『テルマ&ルイーズ』を中学生ぐらいの時に観て、それが一番の、今で思うとシスターフッド的な物語で、一番印象に残っている作品ですね。

宇多丸 リドリー・スコットでね。あれはもう本当にはっきりシスターフッド、フェミニズム・・・。

王谷晶 モロに。いまだに金字塔だなって思います。

宇多丸 そうですよね。是非是非、僕も素晴らしい作品だと思うけど、1991年の時点でね。結構、1990年代初頭ぐらいからだいぶ風向き変わってきたみたいのがあるんですかね?

王谷晶 1990年代は結構、女の人のいわゆるシスターフッド的な映画が他にも結構。あの頃は勢いがちょっと強かったんですよね、なぜか。

宇多丸 他に何かありますか?

王谷晶 『フライド・グリーン・トマト』という、これは人間ドラマ的な、アクションとかはないんですけれども、キャシー・ベイツが主演の映画で、これもすごく女性同士の話でいい話なんですけど。

宇多丸 『フライド・グリーン・トマト』、キャシー・ベイツとジェシカ・タンディだ。割とやっぱり欧米作品だとある程度進んだ感覚みたいのが先に入るみたいのもありますよね。

王谷晶 そうですね。あと、当時はビデオ・バブルで結構レンタルビデオでいろんな映画が見れたので、そういうのも影響あると思います。

宇多丸 やっぱりちゃんと海外の価値感というか、外の価値観に触れていくと変わってくるってものがありますよね。

宇垣美里 そうですよね。

宇多丸 あと、ちょっと補足するのは、さっきスパイス・ガールズとかもあったけど、やっぱ90年代通して女性アーティストとかがドンドン、ドンドン前以上に活躍するようになったっていうのも、TLCとか、ジャネットとか、まあジャネットは一人だけど、そういうグループが活躍したっていうのも大きいかなって気もしますね。で、王谷さん、近年、だいぶシスターフッドものっていうか、ちょっとしたトレンドって感じもあるぐらいですよね。

王谷晶 そうですよね。結構、聞くようにはなりましたよね。

宇多丸 この流れに関しては王谷さん、どうご覧になってますか?

王谷晶 映画だとやっぱり『ハスラーズ』『スキャンダル』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』とか『オーシャンズ8』とか、2018年ぐらいから結構たくさん出てきたと思うんですけども、それのきっかけっていうか、先鞭を着けたのが2016年のオール女性キャストの『ゴーストバスターズ』のリブートかなと個人的には思ってて、あれは本当に妙齢というかアラサーぐらいの結構イイ歳の大人の女性の、しかもオタクが好き勝手大暴れするっていう、非常に観てて楽しい映画だったんで。今、公開してたらもっとヒットしてたんじゃないかなっていうのはちょっと思いますね。

宇多丸 なるほどね。ポール・フェイグはメリッサ・マッカーシーとの『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』とか『デンジャラス・バディ』とか『SPY スパイ』とか、『ゴーストバスターズ』も出てますけど、そういうのを連発してましたよね。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 その辺りで土壌ができたっていうか、段々土壌が温まってきたみたいな。ちょっと早過ぎたっていうのあるんですかね。

王谷晶 ちょっと早かったのかもしれないです。

宇多丸 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』とか、完全にそういう雰囲気ですもんね。

王谷晶 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』はもうちょっとパリピの『ゴーストバスターズ』みたいな感じで、オタクではなく。

宇多丸 うん。でも全員バラバラ感みたいのがやっぱりありますもんね。あと、やっぱり近年はさらに僕、重要だと思うのは監督とか脚本とか制作陣がしっかり女性じゃないですか。

宇垣美里 うん、うん。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 前だとやっぱり、リドリー・スコットにしろポールフェイクにしろ男性監督だったんだけど、「いやいや、女性の話書くんだったら、普通に女性でいいでしょ」っていうのが健全な流れな気もするんですよね。

王谷晶 今度の『ワンダーウーマン 1984』もやっぱり女性監督ですし、スタッフとか監督の方にも女性が増えてきたのはすごくいい流れだなと思います。

宇多丸 ですよね。しっかりそれがやっぱりおもしろいから、視点とかいろんなものが、やっぱり。僕もそれはすごくおもしろい作品が増えてきて本当にいいなっていう感じですね。

宇垣美里 そうですよね。

宇多丸 それこそ『ハスラーズ』とかってすごく味わいの大人さとかも含めて素晴らしかったですよね、やっぱね。

宇垣美里 大好きでした。

宇多丸 さっきから宇垣さんとずっと『ハスラーズ』良かったよねって話を・・・。

宇垣美里 『ハスラーズ』はいいんですよ。弱い立場の人たちが手をつないで「私たちは姉妹だ」って戦ってるところが正にって。もちろん結末はちょっと苦いものではありましたけど。

宇多丸 その苦さまで。だから必ずしもポジティブなことしか言っちゃいけないわけじゃないっていう形でシスターフッドを描く時に、そこに僕は成熟というか、いよいよ状況がいい感じになってるのをむしろ感じたんですよね。

王谷晶 それはすごく思います。

宇多丸 ということで、現状までのシスターフッドものに関してお話してきましたけども、今なぜシスターフッドものが増えてきたかということに関して、王谷さんなりの推測というか、お話を伺いたいんですけども。

王谷晶 先ほども少しお話させていただいたんですけれども、やっぱりSNSの普及というのは大きいんじゃないかなと思ってまして、それまで個人でスマホ一個あれば発信できる、こういうツールが出てくるまで、こんなにいろんな立場の人が女の人の声がバーッと溢れたことって、多分人類史上に無かったと思うんですよね。SNSを通じて初めて、男性も女性もいろんな立場の女性がいることを実感として知れたところが多いと思うんです。なので、そこから今まで一人だけで抱え込んできた問題とか、「自分が悪かったんだ」って思っていたような問題を抱えていた女性が、他の人の話や怒りの声なんかを聞いて「これは怒ってもよかったんだ」とか、「これはやっぱり喜んでも良かったんだ」みたいなのを共有して、つながっていき易くなった。そこからやっぱり、シスターフッド的な関係っていう見直しが始まってきたんじゃないかなと思っています。

宇多丸 今まで本当に孤立した場所で分断されて、「そういうもんか」って思わされてた部分が・・・。

宇垣美里 知らなかったし。あと声を上げる場所というか、手段も無かったところが、少なくともSNSだったら殴らずに書けるじゃないですか。

王谷晶 そうなんですよね。

宇垣美里 暴力を受けずに声を上げられるっていうのはすごく大きかったのかなと思います。

王谷晶 はい。

宇多丸 正に#MeTooとかも、当然SNSがあってこその広がりでもあるしね。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 そして、どうでしょう、二つ目の理由として。

王谷晶 女性同士の友情っていうと今まで古臭い話だと、薄っぺらいとか儚いとか、あと「どちらかに彼氏できたら終わりだよ」みたいに言われたがちだったんですけれども、それも「いや、そんなことないんじゃない?」っていう反対の声を女性自身が自分の実感から発信できるようになったっていうのも大きいと思います。

宇多丸 それって「結局、女には男がいるんだよな」みたいなっていう、どっから湧いて出てきたのか知らないけど、男側に都合がいい・・・。

宇垣美里 「女同士って、ドロドロなんでしょう?」みたいな。「やだぁ、『半沢直樹』見なさいよ、あなた」って思いますよ、本当。

宇多丸 テレビのバラエティーとかでもだいぶ減ってきましたけど、立場の違う女の人を並べて「結婚してる人、〇〇な人」「恋人のいる人、〇〇な人」・・・。

宇垣美里 それこそ「女子アナウンサーと女芸人さん」とか・・・。

宇多丸 宇垣さんもそういうの晒されたことあると思うけど、そういう枠組み?非常に歪んだというか・・・というところが「嘘でしょ」っていうことにちゃんと言うようになったってことですね。

王谷晶 そうですね。あと、ちょっと上の世代の、私の母とか祖母世代の方だとやはり結婚して名前が変わったりだとか、転勤で住んだ場所を離れるとどうしてもそれまでの人間関係がバツッと切れてしまうことが多かったと思うんですが、今は電話とかSNSとかメールとかで若い頃の人間関係をそのまま年を経ても維持できるようになったので、それでやっぱり人間関係の女の人の持ち方そのものが通信の発達によってだいぶ変わってきたんじゃないかなと思います。

宇多丸 それこそ当時は置かれてる場所自体が押し込められてるような・・・だから子育て中のお母さん・・・。

宇垣美里 ママ友しかできない、みたいな。

宇多丸 そしたら「〇〇ちゃんのお母さん」とか「〇〇さんの奥さん」みたいなアイデンティティしかないようなのがあったのが、やっぱりSNSによって個としてちゃんと成立するし、つながれるし。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』にもその話出てきたじゃないですか。ジョーカーの女として周りはだから扱ってたところが剥ぎ取られちゃって、そっからどう戦っていくかって話でもあったから。

王谷晶 そうですね。

宇多丸 とにかくSNS、メチャメチャいろんな面あるけど、これに関してはメッチャ良かったということですね。

宇垣美里 連帯がしやすくなったところはすごくあるのかなって思いますね。

宇多丸 あと・・・すいません・・・(放送作家からの)ちょっと指示がわからなくて・・・。

宇垣美里 その他にシスターフッドのものが増えてきたという理由はありますか?

王谷晶 日本だと、あと村田沙耶香先生の『コンビニ人間』、芥川賞を受賞した、2016年に、これは『コンビニ人間』そのものはシスターフッド的な話では全くないと思うんですけれども、ただ、あのヒットによって恋愛とか男女関係に重きを置かない女の人の話の企画がちょっと通りやすくなったなっていう

宇多丸・宇垣美里 へえ。

王谷晶 個人的に作家で企画出す側にとっては女の人主役の変な話が割と。

宇垣美里 そうなんだ。やっぱ女性=恋愛じゃないものも作れるようになったってことなんですね。

王谷晶 話がしやすく、通りやすくなったのはなんとなくします。

宇多丸 なるほど、なるほど。映画とか見てても、迂闊にっていうか、何も考えずに異性愛カップリングみたいなところに着地してチャンチャンみたいな、見てると「ちょっと、あれ?」って思うようになりましたよね、最近はね。

宇垣美里 彼氏ができて幸せ、おめでとう!みたいな話はもうちょっと古い感じはしますよね。

宇多丸 すごく急激に「女の人が主人公だから、恋愛に着地みたいなのが変でしょ」っていう風に見えるようになってきた気もするんですけど。

王谷晶 そうですね。恋愛を書くんだったら本当に真面目に描いてほしいっていうのは思っていて、「恋愛、こんなものでいいでしょう?」みたいな、男女恋愛描写は古くなっていくのかなと思います。

宇多丸 恋愛がテーマなら恋愛をテーマでちゃんとやれっていうことだし。

王谷晶 しっかり、真面目に描いて欲しい。

宇垣美里 「本気でやれ」と。

宇多丸 「くっつくのがゴール」みたいに書くんじゃねえよみたいな、ありますもんね。

宇垣美里 スタートだわ。

宇多丸 スタートだよね、本当にね。


■ロビン・モーガン編
『Sisterhood Is Powerful』
(洋書 1970年)
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■武内直子
『美少女戦士セーラームーン』
(講談社 1992年)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000215489
EB6CACCA-1880-4C4E-A533-6C989D0955FC


■スパイス・ガールズ
『Wannabe』
(シングル『Wannabe』に収録 1996年)
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■映画
『チャーリーズ・エンジェル』
(2000年)
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■映画
『テルマ&ルイーズ』
(1991年)
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■映画
『フライド・グリーン・トマト』
(1991年)
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■映画
『ハスラーズ』
(2020年)
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■映画
『スキャンダル』
(2020年)
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■映画
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
(2020年)
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■映画
『オーシャンズ8』
(2018年)
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■映画
『ゴーストバスターズ』
(2016年)
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■映画
『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』
(2012年)
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■映画
『デンジャラス・バディ』
(2014年)
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■映画
『SPY スパイ』
(2015年)
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■映画
『ワンダーウーマン 1984』
(2020年)
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■テレビドラマ
『半沢直樹』
(2013年)
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■村田沙耶香
『コンビニ人間』
(文藝春秋 2016年)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906188
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